CTOの視点:エンタープライズ・トランスフォーメーションを停滞させる「ブラインドスポット(盲点)」
Source: VMware Blog
はじめに
エンタープライズITは、今まさに重大な転換点を迎えています。長年にわたる急速なイノベーションは、かつてないほどの能力向上をもたらしましたが、同時にそれと同等の複雑さも生み出してきました。IT部門の運用負荷を増大させることなく、より迅速なイノベーションを可能にすることが、現在のリーダーシップにおける課題となっています。
次なるフェーズの変革(トランスフォーメーション)は、単にテクノロジーを追加することではありません。それは、環境の拡大、プラットフォームの乱立、そして運用コストの増大に伴って進行を妨げる「ブラインドスポット(盲点)」を特定し、対処することなのです。
共通する課題
アジア太平洋、日本、そして中東地域の組織は、初期のクラウド試行から成熟したプライベートクラウド環境まで、トランスフォーメーションのさまざまな段階にあります。しかし、その段階に関わらず、直面する課題は驚くほど共通しています。
- ツールの乱立、重複するプラットフォーム、一回限りのパイロット導入
- 重複する作業、部門間のサイロ化
- 密かに蓄積していく後手に回ったセキュリティ管理
これらにより、変革はビジネスを加速させるものではなく、チームがその場をしのぐための業務へと化してしまいます。
4つの主要なブラインドスポット
成功している企業は、イノベーションを加速させ、開発者に大きな自律性を与え、運用を簡素化しながら「バイ・デザイン(設計段階からの組み込み)」でセキュリティとコンプライアンスを担保するプラットフォームへと集約を進めています。
1. AIを「孤立した取り組み」として扱っている
AIは、既存のクラウド戦略に対する「ストレスリサーチ(負荷テスト)」のような役割を果たしています。
- 現状:AIを共有プラットフォームの能力としてではなく、独立した取り組みとして扱うことが一般的なブラインドスポットです。
- 2026年の展望:AIは孤立したパイロット運用を超え、エンタープライズ・プラットフォーム全体に組み込まれ、アプリ開発、インフラ運用、データ処理ワークフローを支えるようになります。
- ソブリンAI:政府によるデータ保護やAIの責任に関する枠組みが厳格化する中、企業には「ソブリンAI(主権AI)」を設計段階からサポートするプラットフォームが必要です。
2. 統合プラットフォームなき「ベスト・オブ・ブリード」の追求
柔軟性を求めて、コンピュート、ストレージ、ネットワーク、セキュリティの各分野で個別の最適解(ベスト・オブ・ブリード)を追求した結果、断片化した「フランケン・スタック(継ぎ接ぎのシステム)」が生まれています。
- 課題:個別には優れていても、別々のスタックとして運用することで摩擦が生じ、デリバリーの遅延や俊敏性の低下を招きます。
- 解決策:統一されたクラウド運用モデルを持つことが重要です。ハイパーコンバージドでソフトウェア定義のインフラ上に、共有ライフサイクル管理や統合された Kubernetes サービスを構築することで、運用の自動化と効率化が可能になります。
3. 重複するコストと効率性のギャップに対する可視性の欠如
大規模なデータを中央集中型のパブリッククラウドに移動させる「リフト&シフト」は、物理的、財務的、そして規制上の限界に直面しています。
- トレンド:多くの組織が、軽量な AI モデルをデータが存在する場所(オンプレミスやエッジ)に持ち込む「モデル・ツー・データ」アーキテクチャへと移行しています。
(以下、4つ目のブラインドスポットの詳細は続きに記載されています)